会社のモノづくり

[呉高専エンジニア勉強会 Advent Calendar 2017](https://qiita.com/advent-calendar/2017/kure-kosen) の3日目の記事です。

 

こんにちは。[@oZXkpkbmSUGDmgP](https://twitter.com/oZXkpkbmSUGDmgP)です。

 

私の就職した会社は大手メーカーの子会社で設計から量産立ち上げ、量産までの工程を中心に行っています。(名前は伏せさせてもらいます)
設計は主にメカ・エレキ・ソフトの3つの部門に分かれており私はエレキの設計をしています。

会社に入社して最初の三か月。3人一組でライントレースカーを製作するというもの。そこでは会社のモノづくりというものをしっかりとたたきこまれました。
ここでは会社のモノづくりについて話していきたいと思います。

今まで高専時代にはものを作るといっても1つしか作りませんでした。ロボコンのロボットも大会に出るのは1~3台です。
授業で回路を作るとしても大抵1つしか作りませんしそれが動けば終了です。先生から頑張りましたと言われて単位が出ます。

でも、大手メーカーではそんなことはありません。なぜなら作るものは量産する必要があるからです。
量産はただたくさん作ればよいというわけではありません。大量に作ったもの全てが動く必要があります。
皆さんがものを購入したときにそれが不良品だったらボロクソに言うと思います。ネットに書き込むかもしれません。そのようなことは会社にとっては大きなダメージとなります。そのためこれを防ぐ必要があります。

防ぐためには色々な工夫がされています。世に出すために法律を守ることはもちろんの事社内基準を満たす必要もあります。
社内基準の前に確認会や検討会...何度も何度もチェックを重ねた上で品質を守っています。(たまに抜けはありますが)
さらにはある程度の想定外にも耐えるようにしておかなければなりません。お客様は大抵取り扱い説明書なんて全部読まないのでやってはいけませんということもすぐにやります。さらには設計者たちを上回る新しい斬新な使い方を編み出し商品をぶっ壊して不良品だ!と言う方もいらっしゃいます。
上長から聞いたエピソードですがビデオデッキが壊れて不良品だ!といわれた商品を修理のために解体したときに、ビデオの入れる部分に丸形おせんべいが入っていたということもあるようです。設計した側の人間としては取扱説明書はしっかり読んでくれ!!と声を大にして言いたいものですがそんなこと言ってもどうにもなりません。

会社のモノづくりにおいて品質を守る工夫をするのも大切です。そして品質に関わる量産で考える必要がある要素というものがあります。それは”つくりやすさ”です。

量産というものは工場で行うのですが多くの部分は人の手で行っています。長い目で見ればすべて自動化すべきなのでしょうがコストや開発期間等の様々な問題がありそうはいきません。人の手で行うということは作業をなるべく簡単にする必要があります。なぜなら多少の精度は人の手なので出すことはできますが時間がかりミスが出やすくなります。工場において作業時間は決まっているのでいかに早く正確に量産するかが売り上げに大きく影響しています。部品1つも流す台数が多ければその分人件費とし大きくのしかかってきます。

また作る人によって仕上がりが違うなんてことは商品としてあってはなりません。そのため誰にでも簡単に作成できるよう工夫しています。工夫点については企業秘密が多く秘められていますので伏せますが、紹介できる例として単純なねじを締めるだけの作業でも考えることは多くあります。ねじ穴が締め辛い場所にあると時間もかかりますしミスする確率も高くなります。他に電気系の例で言えば配線しやすいような構造としておかないとコネクタを占めるときに断線や接触不良を起こしてしまいます。

単純に自分が1つものを作るだけでは考えなかった要素がたくさんあるのです。モノづくりを行う上で作るための工程というものもしっかりと考えなければなりません。

これが私が会社に入って感じた大手メーカーでのモノづくりというものでした。
他にも多く感じた事はありますがそれはまた機会があれば書くこととします。

ここまで読んでくださりありがとうございました。